インフルエンザ

インフルエンザウイルスへの感染を原因として、急な高熱、悪寒、全身倦怠感、頭痛など、さまざまな症状をきたす感染症です。インフルエンザウイルスにはいくつもの種類があるため、同じ年に、違う種類のインフルエンザに2回以上かかることもあります。
例年、12月~3月頃にかけて流行します。

インフルエンザにかかったときの症状

初期症状

  • 38℃以上の発熱
  • 悪寒
  • 全身の倦怠感
  • 頭痛
  • 関節痛や筋肉痛
  • 鼻水、鼻詰まり
  • のどの痛み
  • 腹痛
  • 嘔吐・下痢
  • 結膜炎

初期症状

  • 息苦しそうにしている
  • 水分が摂れない
  • 排尿量が少ない
  • 呼びかけても反応が薄い
  • 嘔吐・下痢の症状がおさまらない
  • うわごとを言う
  • けいれんを起こした

熱は何日くらいで下がる?

熱は何日くらいで下がる?

インフルエンザにかかると、突然高熱が出て、ぐったりします。発熱後2~3日中には熱が38~39度以上になり、熱は5日以内に下がります。ただ、熱が下がったようにみえても、また高熱が出ることもあるので注意しましょう。

インフルエンザの潜伏期間と感染経路

インフルエンザの潜伏期間と感染経路

ウイルスが体内に侵入してから発症するまでの期間は、大体1日~5日です。
また、発症後5日間は、ウイルスの排泄が続いているため、注意が必要です。

感染経路

  • 患者の咳、くしゃみ、つば吐き出しなどにより発生した飛沫を吸い込んだ時
  • 患者の粘液が、他人の目や鼻や口から直接に入った時
  • ウイルスが付着した物や握手のような直接的な接触により手を通じ鼻や口からウイルスが侵入した時

インフルエンザと風邪の違いとは?

インフルエンザは、他のかぜ症候群よりも全身症状が強くあらわれます。
また、頭痛や腰痛、筋肉痛・関節痛、全身倦怠感が出るのも特徴的です。他にも、嘔吐・腹痛・下痢などの消化器症状が見られる場合もあります。
気管支炎や肺炎・中耳炎等の合併症を引き起こすケースもあるため、せきの悪化や発熱が持続する時は注意しましょう。
発病後1日目から「うわごとを言う」「痙攣を起こした」などの症状がみられたら、速やかに病院へ行ってください。

風邪 インフルエンザ
症状 発熱やのどの痛み、鼻水、くしゃみなど 発熱や頭痛、咳、のどの痛み、鼻水、関節痛、全身倦怠感など
発熱 微熱
または37度台の発熱
発熱
38度以上の高熱
症状が出る箇所 主にのどや鼻 全身に症状が強く現れる
進行の早さ 緩やかに進行するケースが多い 急激に進行する

インフルエンザを疑う症状やポイント

インフルエンザを疑う症状やポイント

上記は目安なので、気になる症状がみられる場合は医療機関を受診してください。

  • 38度以上の高熱
  • 激しい悪寒
  • 強い倦怠感・疲労感
  • 関節痛
  • 周りでインフルエンザが流行しているかどうか

インフルエンザの検査方法と治療法

検査方法

迅速検査キットにより診断します。結果は10分ほどで分かります。ただし、症状が現れてから12時間以内の場合、あるいは5日以上経過している場合には、検査の精度が低くなります。
特に、重症の方、重症化のリスクが高いお子さまやご高齢の方、集団感染が疑われる場合などには積極的にこの検査を実施します。

治療方法

タミフル、イナビルといった抗インフルエンザ薬を投与します。併せて、解熱剤、鎮咳薬なども適時投与します。
なお、お子さまの場合にはインフルエンザ脳症のリスクを考え、アセチルサリチル酸、ジクロフェナク(ボルタレンなど)、メフェナム酸(ポンタールなど)の投与は避ける必要があります。

このような症状はもう一度受診を

このような症状はもう一度受診を

  • 5日以上高熱が続く
  • 何度も吐く・水分が取れない
  • 息苦しい・呼吸が苦しそう
  • 激しい咳・咳で眠れない
  • 口唇や顔色が悪い
  • けいれんを起こした
  • 異常言動や異常行動、意識がはっきりしない

子どもがインフルエンザになったときの対処法

発熱の対処

38度以上ある時は、氷枕を使用するほか、首筋や脇の下、太股のつけ根など、太い血管がある部位に氷を当てて冷やしましょう。冬は暖房を強くしないように、夏はクーラーの風が直接当たらないようにしましょう。
※解熱剤の種類によっては副作用が強く出てしまうことがあります。必ず、医師に相談した上で服用させるようにしてください。

お子さまの異常行動に注意

薬の服用にかかわらず、急に走り出したり幻覚が見えたりと異常行動をとることがあります。
事故を防ぐために、少なくとも2日間はお子さまを1人にしないようにしてください。

脱水を防ぐ・水分補給

子ども(特に2歳未満の乳幼児)は体の水分必要量が多いので、脱水症を起こしやすいです。 まだ自力で水分摂取ができない年齢の子には、お母さんが注意して水分を補給してあげましょう。
半日以上おしっこが出ないときは、脱水症が疑われます。その際は医師の診察を受けましょう。
食事は、お子さまの好きなもので良いので、こまめに少しずつ与えるようにしましょう。

換気・湿度の調整

換気・湿度の調整

加湿器を使ったり、ぬれタオルを室内にかけたりして、湿度を50~60%に保ちましょう。

家族内感染に注意

家族と同じコップ・食器、同じタオルを共有しないようにしましょう。
咳エチケット(マスクの着用、咳をするときはティッシュで押さえる、人のいる方向で咳をしない)に努めましょう。
感染者が使用した鼻紙やマスクは密封し、きちんと捨ててください。

登園・登校は発症から5日経過/解熱から2~3日後

登園・登校は発症から5日経過/解熱から2~3日後

インフルエンザ発症から5日を経過し、発熱などの症状がなくなり、 かつ保育園・幼稚園は解熱後3日を経過している、小学校・中学校は解熱後2日を経過すれば登校・登園が可能です。

インフルエンザの予防接種・ワクチン

インフルエンザの予防接種・ワクチン

インフルエンザワクチンは、生後6ヵ月以上の全年齢のお子さまへの接種が推奨されています。お子さまやご高齢の方は、インフルエンザが重症化するリスクが高くなるため、毎年の積極的な接種をおすすめします。 13歳以上のお子さまは1回、12歳以下のお子さまは2回の接種を行います。

なお現在、新型コロナワクチンの公費での接種対象となっているのは12歳以上の方です。そのため、12歳のお子さまは、インフルエンザワクチン(2回)と新型コロナワクチン(2回~)の接種の時期の慎重な調整が求められます。

生後6か月~12歳まで 原則2回 ※2~4週の間隔をあける
13歳以上 1~2回

ワクチン接種のタイミング

流行する前に免疫をつけるには、11月中に1回目の接種を済ませておきましょう。
また、お子さまの場合、ワクチンは2回接種する必要があります。接種間隔は1~4週間ですが、3週間以上あけると効果的です。12月上旬までに2回目を済ませましょう。また、個人差がありますが、ワクチンは接種の2週間後から効果が発揮されます。12月下旬からインフルエンザが流行し始めるので、それを見越して受けましょう。

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